『弱者の戦略』(稲垣栄宏、新潮社)「まえがき」より
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激しい競争が繰り広げられる自然界では、敗者は滅びゆくのみである。今、私たちのまわりにいるすべての生き物たちは、自然界を生き抜いているという点で、どれもが「成功者」である。
彼らは試行錯誤の末に、生き残り戦略を発達させている。その「弱者の戦略」の確かさは、彼らが生き残っていることで、すでに折り紙付きなのである。強い者が勝つわけではない。強者のマネをする必要はないのだ。
「弱さ」という「武器」を持つあなたに、本書が少しでも役に立てば 幸いである。
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生物学の本ですが、「すべてが成功者である/ありうる」=「みんながちがっていていい/むしろちがっていないといけない」という多様性(ダイバーシティ)の受容と、「弱さ」=「武器」という意味の転換(リフレーミング)など、自然から学べることは少なくないのです。