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秋になると鮮やかなオレンジ色の実をつけるカラスウリは、子供の頃から身近な存在でしたが、こんなに神秘的できれいな花を咲かせるということは、今年初めて知りました。夕暮れから咲き始め、レース状に広がっていきます。夜明けに向かって一晩しか咲かない 儚い花です。
この不思議な形の意味はまだ解明されていませんが、雌雄異株なので受粉者を引き付けるためという説もあります。花が奥に細長く、スズメガ等の口吻の長い虫に来てもらって、体についた花粉を運んでもらいます。
なった実やタネにはそれぞれ、特定のハエの仲間が卵を産み付けます。
動物たちはこうして特定の植物のみを食べたり卵を産んだりして「棲み分け」すると共に、植物もそれを利用しながら共生しています。
そのため、一つの種がなくなると、それだけでなくその種と共生関係にあった種もそこに棲めなくなります。「○○を救え!」「○○が絶滅危惧種に!」という概念は20世紀型であり、よりホリスティックな視点が必要となっているのです。