ファシリテーターの「あり方」について

6月に行うワークショップに向けて書いたコラムを掲載します。

【あり方 その1】

【場を読む その2】で書いた「プランをあっさり捨てる」— 書くと簡単ですが、実行は難しい。

なぜならそのとき、ファシリテーターである私たちの中が揺らぐ(vulnerableになる) からです。

私が尊敬するファシリテーターたちは、自分が今「揺らいでいる」ことを自覚し、時にはそれを参加者に開示します。数日前に『プロフェッショナル・ファシリテーター』に度々登場するArt of Hostingのクリス・コリガン氏とzoom MTGした時も、そうでした。

ファシリテーターのそうしたあり方が、一見頼りなさそうに見えますが、秘めた強さとして「場をホールド」します。また、「誰もがありのままを受容されている」「誰もがなんでも言って、その場に貢献していい」という雰囲気を醸し出すと思います。

そして、ファシリテーターも参加者も、その「揺らぎ」からこそ、新しいものを創り出せるのです。

*上の「揺らぎ」は、プロセス上の意味では、様々なところで取り扱われています。
・Art of Hosting:カオディック・パス
・タッックマンモデル
・プロセスワーク:エッジ

 

【あり方 その2】

敬愛するファシリテーターたち、先日のクリス・コリガンさん、『ダライ・ラマ・ルネッサンス』のブライアン・ムルドーンさん、『プロフェッショナル・ファシリテーター』のラリー・ドレスラーさんは、最初に同じことを言っています。

「僕、いまビビってます」
(実際には「怖いです」と言ってます。)

『ダライ・ラマ・ルネッサンス』の前半でブライアンさんは「明日は、みなさん自分のエゴをいったん脇に置いて、他者を大切にして耳を傾けましょう。僕自身のエゴも含めてね」ということを言っています。

刻々と自分に起こっていることをキャッチして、それを自己開示する(しなくてもいい)ことを、実力あるファシリテーターはやっています。

そういうことが「あり方」を支えるんですね。

*ファシリテーターの「あり方」を磨くStanding in the Fireワークショップは7月6日開催。

おまけ:
チベットの諺「一人の賢者より100人の集合的努力によって良きアイディアが生まれる」
仏教の諺「自分自身で努力しなさい。仏陀はただの”教師”です」

ダライ・ラマ・ルネッサンス

【あり方 その3】

私たちは、ファシリテーターやリーダーである時のみならず、日々の生活の中で刻々と恐れや不安に襲われます。

誰もが「できる奴」だと思われたい。パニックや不安は悟られたくない。人前に立っている時には、なおさらです。

残念なお知らせとしては、そうなった時に周りの人は、それに気がついているということ。

その瞬間には、自分の中についた「炎」を消すのに忙しくなってしまい、周りの状況は見えなくなるし、人の言葉は耳に入ってきません。

【あり方 その2】で書いた通り、自己開示の前には「自分の中で起こっていることに気がつく」が必要となります。


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