INTEGでは、ネイチャーガイドと組織開発を組み合わせたワークショップをご提供しています。
ガイドの内容は、一つ一つの生物の名前や生態をご案内するということよりむしろ、「生物多様性」の考え方に基づいて動植物や水・石などの無生物がどのように関わり合って調和を保っているかにフォーカスするものです。つまり、「多様性の優等生」である森はどのようにして成り立っているか? そして、個がそれぞれ活かされ、個人と組織のパーパスやウェルビーイングをどのように実現しているのか? ということをご説明しています。
また、頭や知識だけでなく五感による体感を重視し、「部分最適と全体最適が両立した際には、どんな感じがするか?」を感じていただいています。
その上で、現在人間の社会や組織が希求している「多様性が活かされ、個人も組織もwin-winな関係性とは」というお話と結びつけています。
先日、同業の友人が書いてくれた感想を下に掲載させていただきます。
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一昨日、佐々木薫さんに案内いただき、高尾の近くの森を歩いてきました。自然環境に関心を持ち、過去はダイバーだったけど、今は山に関心が向いているそうです。植物や虫など、いろいろと教えてもらいながら、ゆったりと2時間ぐらい歩きました。草木に注意を払い、その葉の匂いを嗅ぎ、食べらそうな木の実を口にしました。日々、忘れている五感を刺激した時間でした。苔に覆われた大木を指で突いてみた時の弾力のある感覚、断層が顕になっているところを見る、小川の水に手を浸してみる。目、耳、鼻、肌感覚、そして舌など、いつも以上に刺激を受けました。
薫さんと知り合ったは、組織開発やファシリテーションというのがきっかけです。だから、草木、虫、動物の話だけでなく、組織開発のこと、FAJ、IAF、AoHの活動のことや、これまでの日本でのいろんな人や組織の変遷や変化、ワールドカフェやOST、ドラムサークル、 Standing in the Fire(SIF)や、the B❒Xワークショップなど、話は尽きることがありませんでした。
その中で面白かったのは、木々の群生している中、杉の木の周りが他の木々が育たない(日があたらない)の部分と、いろんな木々や草が入り乱れて激しく育っているところを、組織に例えてくれました。それは、杉の木が高く、だから他の草木が育たず、暗くなるのは、硬直した組織を連想させます。背の高い杉の木は、強いリーダーなんでしょうか。「俺が!俺が!」が強すぎて、組織の風通しが悪くなって、働く人たちが自分の力を発揮できない閉塞した状態のようでした。いっぽう、いろんな木々や草が群生しているところは、特に背の高い木々がないため、太陽が降り注ぎたくさんの木々や草が生えていました。ダイナミックな状態は、多様性が自然に共生している姿を表していました。
今の社会も、組織も、多様性を大切だと簡単に言うけれど、その実、多様性を受け入れたダイナミズムはなかなか見られないのではないでしょうか。森の中で、自然に多様性が受け入れられた様を見つけたとき、組織もこうなるはずだと森の様子をからめながら、薫さんが語ってくれました。新鮮な空気を吸い、鳥のことに耳をそばだて、木々に触れさわり、葉っぱや実を口にしてみる。そんな感覚がいつも以上に鋭敏になっていたから余計に、群生する木々の中に俊烈に多様性の秘密を見た気がしました。



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