先日、あるファシリテーターの方から、「他のファシリテーターの対話イベントに参加したが、どういう風にいればいいのかがわからなかった。どうしても”ファシリテーター目線”が出てしまって、たんなる参加者なのか、思わずファシリテーションしてしまっていいのか、混乱した」というお話を伺いました。
私自身、同じ悩みを持ったことがあります。これは「職業病」とも言えますし、むしろ「人間らしさ」とも言えるかもしれません。ファシリテーターが他のファシリテーターの場に参加する場合、いくつかの方法があります。
1 参加者に徹する
2 「隠れファシリテーター」として参加する
3 ファシリテーターとして振る舞う
先日のブログでは、以下のように書きました。
>ダイバーシティという言葉が普及してきましたが、それは人の間のダイバーシティだけでなく、1人の人の中のダイバーシティも含むべきだと思っています。むしろ、看護師さんがいつもの「ケアする人/専門家」のアイデンティティーから降りて、利用者さんと平らな立場で楽しむ時間を持った方が、心理的安全性や相互信頼も高まり、「ここにいる仲間」としての意識も芽生えるでしょう。
言葉足らずだったかもしれないので、少し補足します。
一人一人の人間の中にもダイバーシティは存在します。「会社員としての私」「妻としての私」「母としての私」「娘としての私」「近所のコミュニティの一員としての私」等々と考えると、わかりやすいかもしれません。上の看護師さんも、もちろん職場にいるので「看護師としての私」が強いはずですが、利用者さんとのアクティビティに参加中には「利用者さんと共に生きる仲間としての私」になってもいいのでは?というご提案でした。
ファシリテーターのお悩みの話に戻ると、「いま私は、何としての”私”でいるのか?」を確認・意識することによって、ずいぶん振る舞いがかわるのではないでしょうか。お悩みを教えてくださった方は、「混乱した自分」を認識されていますが、それすら認識していない場合、最良ではない行動をしてしまう可能性があります。
『プロフェッショナル・ファシリテーター 』に基づくStanding in the Fire(SIF)ワークショップでは、自分の意識の中のさまざまな切り分けの大切さをご紹介しています。その一つが、「流儀4」の「自分の役割を明確にする』です。「いま(この時間)、自分はどんな立場で過ごすのか?」をしっかりと認識した上でその時間を過ごすことにより、自分自身も安定して参加者の役に立つことができます。ワークショップではそのための簡単な方法もご紹介しています。
「一人の人間の中のダイバーシティ」は、意識することによって、それぞれの時間帯でも切り替えることができるのです。『プロフェッショナル・ファシリテーター 』の「6つの流儀」は、それぞれ独立したものではありません。この「時間帯による切り替え」に目を向けると、「流儀2」の「いま、ここに集中する」にも通じることがわかります。



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