学ぶほど、孤独になる?

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「学習する組織」や組織開発の勉強会に参加していた頃のことです。そこでは、「こんな世界は実現可能なんだ」「みんなが幸せで、しかも業績も上がる組織はつくれるんだ」と胸が熱くなる瞬間が何度もありました。理論も事例も希望に満ちていて、誰もが自分の会社でもやってみたいと自然に思えるのです。

けれど、自社に戻ると空気は一変します。日々の業務、既存のルール、暗黙の前提。勉強会で見た景色とのギャップに戸惑い、「これは必要なことだ」と伝えても、周囲の反応は鈍い。やがて「誰にも理解されないのではないか」という感覚がじわじわと広がっていきます。同じ学びを共有していない組織の中で、熱量だけが浮いてしまうのです。

同じようなことは、経営者にも言えます。経営者は勉強好きな人が多いものです。新しい理論やアプローチに触れると、もともとのエネルギーとモチベーションの高さもあって、すぐに自社に持ち帰ろうとします。しかし、現場や役員層から見ると、それは急な方向転換に映ることもあります。「また新しいことを始めるのか」と煙たがられ、思いが空回りする。結果として、学べば学ぶほど孤独が深まるという逆説が生まれます。

それでも、学びはムダにはなりません。すぐに理解されなくても、見えている景色が少しずつ組織に影響を与えることもあるからです。孤独は、視点が一歩先に進んだ証でもあります。学びによって生まれる距離をどう扱うか。その問いこそが、組織と向き合う人にとっての次の学びなのかもしれません。

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