自然林に学ぶ、次世代の組織開発

― ネイチャーガイドと学ぶダイバーシティーの本質 ―


1.背景・問題意識

多くの組織において、
「多様性の尊重」や「ダイバーシティ推進」の重要性は、
すでに広く共有されるようになりました。

一方で現場からは、次のような声も多く聞かれます。

  • 多様な意見を尊重したいが、かえって意思決定が難しくなる
  • 個人の強みを活かそうとすると、組織としてまとまらない
  • 全体最適を優先すると、現場の納得感が下がる

その結果、
多様性は「理念」や「スローガン」に留まり、
日々の実践においては負担や難しさとして感じられることも少なくありません。

本研修では、こうした課題を
人の意識や能力の問題としてではなく、
組織の成り立ちや関係性の捉え方の問題として見つめ直します。

その手がかりとして用いるのが、
多様性にあふれた自然林の成り立ちです。

近年重視されるダイバーシティやSDGsという単体の要素に留まらず、                    それらを「一つのもの」として捉えた発想が、本研修の基本となっています。

2.研修の目的

本研修の目的は、
自然林の構造や働きを手がかりに、

  • 多様性とは何か                                              
  • 自己組織化とは何か
  • 「有機体」としての組織
  • 個別最適と全体最適は、両立できるのか
  • 不確実性の時代に組織が安定し、変化に耐えるために必要な条件とは何か

を、知識ではなく視点として捉え直すことです。


3.本研修の特徴

(1)自然林を“比喩”として用いる

自然林には、
大きな木も、小さな草も、目立たない菌類も存在し、
それぞれが異なる役割を担いながら、
森全体として安定した環境をつくり出しています。

誰かが全体を設計しているわけではありません。
それでも森は、循環し、更新され、持続しています。

つまり、私たちが目指す「ありたい組織の姿」や「自己組織化」を               すでに実現している存在なのです。

本研修では、この自然林の成り立ちを比喩として、
組織や人の関係性を捉え直していきます。


(2)ネイチャーガイドの実体験に基づく進行

本研修は、理論モデルや成功事例を当てはめるものではなく、
ネイチャーガイドでもあり組織開発コンサルタントの講師が、実際の自然観察から得た視点をもとに進行します。

自然の中で起きていることを手がかりにすることで、
参加者は防衛的になりにくく、
自分自身や自組織を静かに見つめ直すことができます。


4.研修の主な観点

観点1

多様性にあふれた自然林が示す、組織のありたい姿

自然林では、
「価値の高い存在」や「不要な存在」という区別はありません。
それぞれが異なる役割を持ち、
全体の機能を支えています。

組織においても、
多様性とは単に違いを受け入れることではなく、
違いが機能する構造をどうつくるかという問いであることを考えます。


観点2

個別最適と全体最適を共に実現するとはどういうことか

森では、無生物(水や石)も生き物も、                                      一見すると「個の生き残り」をかけて熾烈に争っていようでありながら、                   実は同時に多様な存在を支え合うことで、全体に大きく貢献しています。              それにより、全体の循環が成り立っています。

本研修では、
この在り方を組織に重ねながら、
個と全体を「対立構造」で捉える見方を緩め、両立の可能性を探ります。


観点3

真のダイバーシティが、組織や社会の「回復力(レジリエンス)」となる

自然林の真の強さは、平常時よりも、変化や危機のときに現れます。                その秘密が多様性です。

本研修では、
ダイバーシティを理想論や美しい言葉としてではなく、
変化に耐えるための土台として捉え直します。


5.研修プログラム

A インスピレーション・ネイチャーウォーク

実際に森を歩きながら、自然の組織構造を体感します

  • ウォーク: ガイドと一緒に森を歩き、説明だけでなく、森を五感で捉え、自然の中で生き物と共にお弁当を食べ、ありたい姿の実体験からバックキャスティングを行う
  • 対話:私たちはどこへ向かっているのか? どうやってそこへ向かうのか?
  • 全体共有:今日、持ち帰りたい問い

B 室内セミナー(例)

  • 導入:自然はどのように成り立っているのか
  • 観点共有:自然林に見られる構造と関係性(森の美しい写真をお見せします)
  • 個人ワーク:自分の組織を「森」にたとえると
  • 対話:その比喩が示しているものは何か
  • 全体共有:今日、持ち帰りたい問い

※ 講義だけではなく、内省と対話を重視します


6.期待される変化

本研修後、次のような変化が起こりやすくなります。

  • 多様性を「扱いづらいもの」と感じにくくなる
  • 人を動かそうとする発想の限界を理解する
  • 組織を構造や関係性として見る視点が増える
  • 「ありたい姿」や「自己組織化」のイメージをつかむ

※見方が変わることで、行動や対話の質が変化しやすくなります。


7.実施概要(例)

A インスピレーション・ネイチャーウォーク

  • 対象:経営者・管理職・現場メンバー
  • 人数:3〜10名程度
  • 時間:3〜5時間)
  • 形式:対面
  • 会場:高尾山周辺

B 室内セミナー

  • 対象:経営者・管理職・現場メンバー
  • 人数:10〜30名程度
  • 時間:3時間程度
  • 形式:対面/オンライン(応相談)

講師について
企業や組織においては、経営者・管理職の伴走型のコンサルタントとして活動しています。またその傍ら高尾山を中心とした生物多様性ネイチャーガイドとしての活動を行い、自然と組織を結びつけて説明できる日本でも数少ない存在でもあります。